2019-01-01から1年間の記事一覧

刃金青の星

野尻抱影は、弟子である草下英明に、ある星の色を「刃金青といひなさい」と命じたと、” 野尻抱影 聞書 星の文人 伝 ” ((株)リブロポート 石田五郎著 1989年発行)に書かれています。 何の星についてそう言ったのかと疑問に思っていましたが、一つの文章があ…

星三百六十五夜の源流

野尻抱影の代表作の一つである「星三百六十五夜」は、天文に関する随筆365話が納められた労作で、天文に対する情熱と博識が無ければ作ることが出来なかった名著です。この本は昭和30年に初版が発行されましたが、それをさかのぼること30年前の大正14年に、こ…

パンオプティック24

パンオプティック24を、XW20、Abbe25と見比べてみました。 ティーガル60を使って、まず遠景を見てみました。それぞれのアイピースとも、ドロチューブをいっぱいに伸ばした位置でピントを合わせることが出来ます。こういった時に、昔の望遠鏡は合焦…

ブレッドのイフに現れる天文現象

70年代、よくラジオを聞いていた頃に流れていた曲です。歌詞カードを見れば、私の英語力でも判る、詩的で美しい曲だと思います。ただ、最後の部分に、この世の終わりについて歌われているのですが、天キチとしては、その状況がなかなか理解できませんでした…

金環食の中継

用事のついでに立ち寄った天文台で、金環食の中継画像を投影していました。何でも、グアムからの画像とのことです。最初はw社の像を流していましたが、途中からa社の方がより鮮明だということで、切り替えていました。何人かの人が月の動きが判ると言うくら…

接眼鏡の地層

接眼鏡が、たくさん集まりました。デシケーターに、袋にメモ書きして入れているものもあります。机に並べてみようと思いましたが、どれがどれだか、判らなくなるので止めました。そんな時に、ふと横から見てみると、まるで地層のような状態なのに気が付きま…

正立ファインダー(その2)

5倍25mmの正立(下)と倒立(上)のファインダーです。共にタカハシ製ですが、両方とも現在は製造されていません。正立ファインダーは、ティーガルの正立タイプの反射望遠鏡に標準で付属していたように記憶しています。視野は正立の方が、若干狭いようです。…

正立ファインダー

天体望遠鏡の像は、上下左右が逆でもしかたがありませんが、ファインダーはやはり正立の方が便利です。画像は、ともにタカハシの5cmファインダーですが、片方が正立でもう一方が普通の倒立です。ずんぐりしている方が正立で、ダハプリズムによって光路が折り…

ウラノス号にファインダー

五藤のウラノス号(1~4号型)には、ファインダーがありません。このままでも使えないことはないのですが、あった方が便利ですので、タカハシのP型用アクセサリーバンドを利用して、ファインダーを取り付けています。バンドは、P型(鏡筒径68mm)とウラノ…

古い望遠鏡広告

最初の画像は、明治35年発行の「天文学一夕話」(村上春太郎著 島津製作所発行)です。次は、その本の後から2ページ目にある望遠鏡の広告です。特許出願中 村上式天文用望遠鏡 甲号 金三十円 乙号 金二十五円とあります。倍率は84倍と書かれていますが、口径…

チューブレス反射

昔の望遠鏡を綴ったアルバムが、手元にあります。少し前に手に入れたもので、黒い台紙に白黒写真が貼られています。その中に、昭和20年代の興味深い写真がありました。木製のチューブレス反射鏡筒の数々です。 メモには「宮崎 薦田惑星面観測室(昭25)20c…

広角接眼鏡 de 観望会

近郊の小高い丘にある公園で、観望会がありました。この夏以降、週末も町内会の行事が多く、星を見る機会がめっきり減っていましたので、久しぶりの星見となりました。集合時間に余裕を持って出たつもりでしたが、道路の渋滞で、すっかり遅れてしまいました…

エイコーとアストロ

美しいエイコー6T-300赤道儀と、かわいいアストロR-51の赤道儀を並べてみました。比べてみると、大きさはずいぶん違います。それぞれのメーカーの望遠鏡の広告は、昔の天文雑誌によく出ていました。 まずエイコーといえば、9cm反経やロッド式鏡筒、或いは一…

天文愛好家のイメージ

昔の天文愛好家のイメージは、人付き合いが苦手な色白の青年が、一人で天体望遠鏡を覗き、自分の世界に閉じこもるというものだったと思います。ウルトラセブンの「円盤が来た」は、星の世界に憧れる青年が、物干し台の天体望遠鏡で星を見ている時に、円盤の…

ギャング達相手の観望会

天体観望会で、子供たちに星を見てもらうことは、とても楽しいことです。「うわー、きれいだ」とか、「写真のように見える」と、様々な声を聞くと、本当に嬉しくなります。一方、困った子供たちもいるようです。以前、とある児童センター主催の観望会に望遠…

ロンキーテスター

使用しているロンキーテスターです。ロンキースクリーンのピッチは、インチ100本で、縞の曲がりと許容誤差との関係は、以下となります。なお、鏡の直径は100mmです。 F値 許容誤差 5 1/24 8 1/15 10 1/12 12 1/10 15 1/8 これらは色収差や球面収差の不規則…

五藤C型カメラアダプター

テレパックに取り付けることのできる、カメラアダプターです。説明書では、五藤式6cm以下の望遠鏡用と記載されています。カメラマウント(ニコン)、SUNフィルター、そしてキャップ1個が、付属しています。 カメラは結構重量があるので、実際に望遠鏡に取り…

見たい望遠鏡と欲しい望遠鏡

見たい望遠鏡は、最新の高性能アポや高精度ニュートン鏡である。各種の情報より見え方を想像したり、各地での星まつりで実際にのぞかせてもらうのは、とても楽しいことである。しかし自分にとっては、これらが必ずしも欲しい望遠鏡とは限らないのだ。 私の場…

ティーガルにXW

昨晩の台風は、風雨とも強くて、よく眠れないほどでした。以前にインフラ関係の施設に勤めていた頃には、このような時は昼夜なく呼び出され、徹夜で勤務していました。今はもう頑張らなくて良いのですが、自然と体に力が入るのには、自分でもおかしく感じま…

古本の楽しみ

背表紙が半分取れ、頁もすっかり焼けてしまった星座巡礼にある、野尻抱影の肉筆です。 ヒエログリフにも例えられる抱影の文字も、少し読めるようになりました。ここには「星」の字の下に「水野学兄」、「一九二六年十一月」そして「著者」とあります。学兄と…

路上の星 その2

交差点で、ふと空を見上げると「HALF MOON BUILD.」の文字。よく通っていた道なのに、最近までちっとも気が付きませんでした。街中に、星にちなんだ名前は、まだまだあるようです。 さて、ジャズ喫茶の「カウント」が、その近くにあります。スピーカーは、…

ランボオと天キチ

ヨーロッパでは短い夏が過ぎ、厳しい冬を迎えようとする中、ゆく季節を惜しむ詩が多く詠まれているようですが、私達天キチには、また別の視点があるように思います。確かに虫の音を聴いたり、明るい星が少ない秋の星空を見上げると、寂しさを感じるのは事実…

ウエイトは悲し

天体望遠鏡の部品の中で、一番気を使われていないのは、ウエイトだと思います。他の部品は、防湿庫の中であるとか、ほこりのかぶらない場所とかに、大切に保管されているのに、良くて物入れの隅、普通は物置の床にごろごろと置かれているのが、多いのではな…

胎内星まつり 2019 (その2)

今回の胎内では、意外なものも見つけました。昔のタカハシのP-2赤道儀です。タカハシとTOMITAの2か所のブース前に計3台ありました。初期のメタリック塗装のもので、小型で精密な造りが評判のものでした。だいぶ前に製造中止となっていましたが、良いものは、…

胎内星まつり 2019

数年ぶりに、胎内星まつりに行ってきました。のんびり各ブースを回った後、芝生脇でフジノン双眼鏡の説明を聞いていると、担当の人が慌ててカメラを持ってテントから飛び出していきました。何かと思って、振り返ると・・・。なかなか絵になっていますね。 五…

アルビレオ

野尻抱影は、星三百六十五夜の8月14日の頁で、アルビレオの美しい名前と美観について記しています。 「星の名にも美しいものが多いが、中でもsweetな名はアルビレオ(Albireo)である。四つの母音を連ねた上にlとrの子音を含むので、甘く舌に媚びてどこま…

公民館屋上の観望会

昨晩、近隣の町の公民館屋上で天体観望会があり、お手伝いしてきました。場所が街中でしたので、月・木星・土星が観望の中心でした。望遠鏡は昔のビクセンのED80SとタカハシのEM1S、そしてタカハシ用に改造されたビクセンの最新の三脚です。それぞれが軽量で…

星祭りへの道

夏本番を迎え、各地の星祭りも始まりました。目的は、いろいろな望遠鏡を見たり、掘り出し物を探したり、星仲間との楽しい語らいだったりするのだと思いますが、会場までの道中も楽しみの一つだと思います。車に仲間と同乗して、ワイワイするのも良いのです…

何台の望遠鏡を持つべきか

これは、天文ファンにとって重大な問題です。星に興味を持ち始めた時には、とにかく望遠鏡が欲しくて、ある意味どんなものでもよいのですが、望遠鏡を持つに至り、次のステップに移る頃になると、庭で見たり、山間地の観望会で見たり、或いは地域の人達のた…

タンスの肥やし

標題もとい、ちゃんと防湿ケースに入れてあります。しかし、最近は軽量のアメリカンサイズで見ることが多く、あまり使っていませんので、肥し状態ではあります。この趣味を始めたからには、第一級の光学性能を知るということは、大切なことと考え、少ない小…